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2022/05/23

校長室から(5月)

| by 北海道札幌聾学校WEB管理者
「学校の文化」

 ゴールデンウィークも終わり、子どもたちは学校生活にもすっかり慣れ、学級や学年を超えた仲間とともに学習や部活動を頑張っています。
 先日、中学部3年生が道東に修学旅行に行ってきました。この2年間はコロナ禍のために規模を縮小して実施していましたが、今年度は塘路湖でのカヌー体験、阿寒湖や硫黄山見学、帯広市内での自主研修、十勝千年の森でのセグウェイ体験など、久しぶりに充実した内容とすることができました。中でも3日目に帯広聾学校を訪問し、同校の中学生と交流を深めることができたことは、生徒の記憶に強く残ったことと思います。この2年間、コロナ禍により生徒同士が対面で交流する機会がなくなっていたため、とても貴重な経験となりました。今後は、中間テストや中学生最後の中体連がありますが、この修学旅行で経験したことを糧に、更なる活躍を期待しています。
 さて、例年、この時期になると、体育館やグラウンドで懸命に運動会の練習に取り組む子どもたちの姿を目にします。今年度の運動会は、コロナ禍に配慮して、学部ごとに平日に実施することにしました。全校の子どもたちが一堂に会し、始業式や卒業式などの儀式を行ったり、運動会や文化祭などの行事を行ったりすることは、幼児から中学生までが同じ”経験”を共有し、世代間で継承するという点で大きな意義があると思っています。上級生は、本校の生徒が大事にしてきたことを下級生に伝えます。下級生は上級生の姿を見て、”いずれ自分も同じようになりたい”、”先輩のように振る舞うのが札聾生として立派なこと”と思います。こうやって”経験”は世代間で脈々と継承されて、次第に普遍性を増して”学校文化”として根付きます。その機会がコロナ禍によって減っていることは、とても残念でなりません。今年度はコロナ禍であっても、教育活動を通して”経験”を共有し、本校の文化を紡ぐことができるよう、いろいろと工夫をしていきたいと思っています。
 今年度、本校は上記の教育目標や教育の重点を受けて、聴覚に配慮しつつ、音声や文字、手話(日本手話や手話付きスピーチ)などの多様な方法を用いて指導を行い、聴覚に障がいのある子どもに対して、主体的・対話的で深い学びを通して、自立と社会参加に必要な資質や能力を育むための教育に取り組んでまいります。 今後もこのページで、子どもたちの様子を随時お知らせしたいと思います。


北海道札幌聾学校長 四木 定宏
  

16:24