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2023/02/02

校長室から(1月)

| by 北海道札幌聾学校WEB管理者
「一年の計」
  
 新年あけましておめでとうございます。令和5年が始まりました。今年の干支は「卯」(う、うさぎ)です。卯にも、丁卯(ひのとう)、己卯(つちのとう)、辛卯(かのとう)、癸卯(みずのとう)、乙卯(きのとう)があり、それぞれにいわれや意味があるようです。今年は癸卯にあたり、これは恵の雨によって草木が生い茂り地面を覆う状態を示し、またうさぎは勢いよく跳びはね、多産で成長が早く繁栄の象徴とのことです。世の中はコロナ禍の長期化、ウクライナ紛争などに起因する物価高などで、閉塞感や先行きの不透明さが持続し、経済や消費も停滞気味ですが、今年は癸卯らしくこれらが少しでも好転する年になるように願います。
 さて「一年の計は元旦にあり」と言います。子どもの頃は、年末年始の時期になると、家庭でも学校でもこのことが話題になっていたように記憶しています。
 この言葉ですが、「一年の計画は年の初めである元旦に立てるべきである。転じて、物事を始めるにあたっては、最初にきちんとした計画を立てるのが大切である」ということを表したことわざです。由来は諸説あるようで、中国の「月令広義」(げつれいこうぎ:中国の年中行事、儀式を解説した本)に、「一日の計は晨(あした)にあり 一年の計は春にあり 一生の計は勤にあり 一家の計は身にあり」とあることや、戦国時代の武将、毛利元就の言葉に、「一年の計は春にあり 一月の計は朔(ついたち)にあり 一日の計は鶏鳴(一番鶏が鳴く早朝)にあり」というものがあるようです。つまりは、一年の計は元旦の朝に立てることで、一層意義のあるものになるということになります。
 さて、私の一年の計は「健」の一字にしました(昼頃に立ててしまいましたし、今年の漢字みたいです、、、、)。この漢字は「ケン」「すこ(やか)」と読み、意味は、①体が丈夫で、しっかりしている。元気がよい。「健康・健在・健勝・健全・強健・壮健・保健など」、②丈夫にする。「健胃剤」、③よく。はなはだ。したたか。「健啖(けんたん)・健闘など」があり、「健気(けなげ)」という難読もあります。
 私はこの言葉に、子どもたちの健やかな成長を支えること、健やかな学校づくりに取り組むこと、そのために1年間、皆が心身共に健康であるようにという願いを込めました。3学期の始業式では、子どもたちと共に「一年の計」について話をすることを楽しみにしています。
 本校は今年も、聴覚障がいに配慮しつつ、音声や文字、手話(日本手話や手話付きスピーチ)などの多様な方法を用いて分かる指導を行い、聴覚に障がいのある子どもに対して、主体的・対話的で深い学びを通して、自立と社会参加に必要な資質や能力を育むための教育を探求したいと思います。癸卯にあやかり、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍する1年になることを願っています。

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